【ブラック社員見聞録】魔神ブウに激似の上司 編

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僕がとある製品の検品と検証アルバイトの時に出会ったブラック上司です。

この方井上さん(仮名)といい、小太りでドラゴンボールに出てきた魔神ブウにすごく似ていました。

覗き込むように相手と会話するのが特徴的で、他人に対しすごく高圧的な方でした。


配属された部署には先輩社員がいました


配属された部署にはこの上司を含め3人いました。

僕、井上さんの他に笹子さん(仮名)という40代後半の男性がおり、僕より早く入社していた笹子さんは、井上さんは折り合いが良くないようでした。

会話もあまりなく、何かよそよそしく会話する様子を見て、ちょっと変だなと思いましたが、
業務上大きな問題はなさそうだし、不便もないだろうと考えました。

入社して1ヶ月ほどたった頃、指示や連絡などは井上さんから僕を通して笹子さんへでるようになりました。

「いつまでに検品のリストを作るようにと笹子さんに言っておいて」

「空箱の発注をXX個笹子さんにお願いしておいて」

最初のうちは、井上さんが忙しいんだろうと思っていたのですが、だんだんと常態化していき井上さんと、笹子さんはほとんど会話しないようになっていきました。

井上さんに冗談めいてなぜそのような事をするのかと聞いてみましたが、「年上だから苦手」と答えてはくれましたが、何か根深いものがあるのでは?と思えました。

井上さんは、その受け答えや反応から、他部署からもよく思われていないようでしたが、笹子さんは人当たりもよく、他部署から好かれているようでしたので、その点も井上さんは気に入らなかったようでした。


イビリが始まった


井上さんは僕を通して、笹子さんへ指示を出しているのですが、ある日から、

指示をワザと間違えて伝えるようになります。

「火曜日までに10個の製品を出荷できるように」という指示があったとしたら実際は

「月曜日までに12個の製品を出荷できるように」という指示をしたはずだと井上さんは言います。

指示通りに業務を進めていた笹子さんは、驚いて僕に問いかけるわけですが、僕も正確に伝えていると思っているため、右往左往してしまいます。

井上さんへ確認すると、いやキチンと伝えたはずだとの一点張り。挙句の果てには「笹子さんが俺に確認しないのが悪い」と。

しばらく同様の事が続きました。笹子さんも僕からの連絡だけでなく、指示を受けたあとは、渋々井上さんへ確認していましたが、状況が改善される事はありませんでした。

だんだんと僕も、笹子さんも何が本当のことかわからなくなり、
また僕自身も嘘を笹子さんに伝えてしまっているというストレスで消耗していきました。


吊し上げ


その職場では週に2度ほど、定例会議というものがあるのですが、その場には幹部や
社長が出席していました。

僕も担当者としてその場に何故か出席することになっていました。

井上さんは、その会議場で笹子さんのことを【指示通りできない】、【仕事が遅い】、【ホウレンソウ】ができない、そのために経営に迷惑をかけていると散々に言うようになりました。

笹子さんもそんな事は無いと抵抗しますが、責任者の言うことは組織では正しいのは明白でした。

だんだんと他部署からの相談や依頼も減り、笹子さんが社内で干されていきました。


その後の笹子さん


会議で吊し上げが始まってしばらくたった後から、笹子さんは僕に夢を語る様になりました。

その内容はこういった仕事ではなく、自営業として光触媒を扱いたい、光触媒には未来があると言い始め、自営で成功して妻と自由な時間を過ごしたいと言いました。

僕は自営は無茶だと思いましたが、今笹子さんが置かれている状況ではとてもそんな事は言えず同調するしかありませんでした。

それから2ヶ月ほど経った週末の会議が終わった直後、笹子さんは退職を切り出しました。
特に井上さんは驚いた様子もなく、「笹子さんの決断だから、引き止めはできない。お元気で」と退職願を受け取りました。

笹子さんも一刻も早く関わりをやめたかったのでしょう、有休の交渉もせず引き継ぎも特にしないまま次の日から出社しなくなりました。


僕はどうなったか


退職したあとの笹子さんがどうなったか僕は知りません。

総務で聞いた所によると、10年以上勤務した社員だったようです。

長く勤めても最後はこんな扱いをされるようでは、僕だっていつ同じ状況になるかわかりませんし、ここでは長く働けないと思いました。

それに笹子さんが辞めてしまった原因の一つに僕のせいではないかという思いがあったからです。

僕が入った事で組織構成歪みが生まれ、それが笹子さんが陥った状況を作ってしまったのではという思いがあったのです。

笹子さんが退職したあと、僕もすぐにアルバイトを辞めます。

僕の時は、井上さんから社員登用をちらつかせられるなど、かなり強い慰留がありましたが、
その全てが嘘くさく感じられました。

なぜか、社長の息子である常務も出てきて慰留を受けましが、その時に、常務へ事の顛末や僕の思い全てお話しました。
話している最中に、情けなさ・ふがいなさから涙が出てきました。
常務はそういう事を言ってくれる人こそ残ってほしいと言ってはくれましたが、僕はそれはできませんとお断りし、退職しました。

あれから随分たちますがあの企業はまだあるのかと調べてみたところ、ホームページすら維持できないようですが、細々と存続はしているようです。

こういったブラック社員要するブラック企業は生存能力は高いんですよね。
残念です。

常識だと思っていたことが、中小・零細企業では常識ではない事と、
社会に出てからこそ、イジメは存在するということを教えてもらった気がします。

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